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「noneday」ことハンドルネーム「サリー」が、徒然と小説や日常を書き記すblog。 -彼の手は悲しい程に短く星屑には届かない-


by noneday

Stardust78

色々と書いてはいるのだが、形にならない。
とはいえまあ、それは常々ここでも記しているいつものことである。
訳:三ヶ月近く放置していたけど特に理由があったわけではない。







書く際に意識するのはエンターテイメント性である。
まあ面白い作品を書けばおのずとそれにはエンターテイメント性も伴っているものだろうが、自分の書いた作品がわかりやすく読み手を惹きつけるとは思わないので、わかりやすく読み手を引き込むための手段としてエンターテイメント性を求めている。
本来なら書いた結果として読み手を唸らせるエンターテイメント性があればいいのだし、またそうあるべきなのだが、私には無理だろう。
で、読み手に受け入れさせるために手っ取り早い、と私が睨んだのは国民的イベントだ。
ここ三ヶ月で意識したのは、十二月のクリスマス、一月では正月、そして二月は今日、バレンタインデー。
当初はクリスマスにクリスマスを盛り込んだ作品を公開する予定だったのだが、書いているうちに「あれ、このネタどこかで見たような」と思ってしまい、だがそれが何なのか思い出せないまま悶々と筆が進まない日々を過ごし、気が付いたら年が明けていた。
で、クリスマスも正月も潰してしまった私は、バレンタインに挽回しようと思っていくつかそれらしいものを書こうとしたのだが、いざバレンタインを意識していると、バレンタインにまつわる自分の記憶を掘り返してしまって、ブルーになってしまった。
要約すると、結局書けていない。





小学生の頃、確か五年くらいだったか。
男女の意識をし始めた頃で、まだ思春期と呼ぶほどの強い性差意識はなかったが、バレンタインとかは注目の的、そんな年齢だ。
精神的な成長の早い同級生達は、チョコを誰にあげるか、または誰が自分にチョコをくれるだろうか、という話題で盛り上がっていた。
本気で異性が好きだとか、この機に付き合いたいとか、そういうレベルではなく、恋に恋する感じだったのだろう。
そんな時代、私には近所に住むいつもつるんでいた弟分的な年下の少年の友人がいて、その友人の従姉の少女が私の同級生でクラスメイト、特別意識していなかったが、友人を介したり、偶然同じ委員会に属したりで、何かと接する機会があったのでそれなりに仲良くしていた。
バレンタインの一週間前くらいか。
その話題で皆が夢中になっていた時期、例に漏れずその少女も私と会話したときにバレンタインの話題を振って来た。
「チョコ上げようか?」
前後の会話はよく覚えていないが、そんな申し出をくれたことは覚えている。
彼女が義理で言ったのか少なからず好意を持っていたのか、今となってもそれは定かではないが、当時の我々は何分小学生、そういう機微ももちろんわからない。

私「もらえるなら欲しいな」
少女「じゃああげる」
私「でもどこで?」
少女「学校かな」

で、私の母校の創立記念日は二月十四日、バレンタイン当日だったのだ。
創立記念日は学校が休みになる、勉強が好きでもない普通の小学生には嬉しい日。
そして田舎に住んでいる私の家から小学校までは、自転車でもかなりの時間がかかる距離で、正直勉強よりも登下校が苦行と言えた。

私「休みに学校来たくないなぁ」

何気なく呟いた私の本音に、彼女が数秒フリーズ、そこでチャイムがなってその話は流れた。
その後彼女はバレンタインの話を再度振ってくることもなく。
もちろん私は当日学校には行かなかったし、彼女はチョコをくれなかった。
それが契機だったのか、それとも単に思春期になって性差意識が強くなっただけか、その少女とは次第に疎遠になって、自然に縁が切れた。





もしかしてフラグへし折ったんじゃ、と今にして思う私自身の若さ苦さもだが、彼女を傷つけてしまったのではないか、という申し訳なさと後悔が根付いてしまい、中学生になるころには立派な対人恐怖症になっていた、とそんな話だ。
by noneday | 2011-02-14 20:02 | 雑記